16 劉 暁波(りゅうぎょうは) (1955年~2017)





~自由と平等のために獄中で権力と闘い続ける中国の人権活動家~





 「ノーベル賞」受賞者が、監獄に。


こんな不思議なことが、現実に起きていることをご存知でしょうか。




中国です。


中国人初の 「ノーベル平和賞」 受賞者は、監獄の中で服役させられ、当局によって授賞式にも出席することができませんでした。




 それどころか、劉暁波の夫人まで自宅軟禁状態に置かれています。




 彼は国際連合をはじめ、世界中の国々からその基本的人権獲得をめざした功績を認められました。

 中国の民主化を求めて、堂々と民主政治を主張し、暴力も一切ふるっていません。




 中国史上、特に大切にされるべき人物が、過酷な人権侵害を受けているのはいったいなぜなのでしょうか。




 劉暁波は吉林省の長春市で生まれました。

 1988年、 「美学と人間的自由」 で文学博士になった北京師範大学文学部の講師で、作家でもありました。




 その後、オスロ大学、ハワイ大学、コロンビア大学などで客員研究員として活動しています。

 1989年、中国で民主化運動が勃発すると、帰国して第二次天安門事件に参加しました。



 しかし、事件後に「反革命罪」で投獄され、その後も2度の投獄、強制労働を強いられています。



 2008年、有名な 「零八憲章」 を起草し、インターネット上で発表しました。



 この憲章には19項目の要求が掲げられています。

 主なものは以下の通りです。



  三権分立、  直接選挙、  司法の独立、  人権保障、  都市と地方の平等、  結社の自由、  集会の自由、    言論の自由、 宗教の自由、 社会保障 などです。



 賛同する人の輪は広がり、海外も含めて1万人以上の人たちが、インターネット上で賛同の署名をしました。


 逆にいえば、中国ではこれらの要求項目が否定されている、ということですね。




 政党も共産党一つしかありません。


 これで近代国家といえるのでしょうか。




 海外の反応はどうでしょうか。

 2010年、ノーベル賞委員会は全会一致で、劉暁波のノーベル平和賞を決定しました。




 受賞理由は、次の一文です。

「中国における基本的人権のために長年、非暴力的な闘いをしてきた」




 国際連合事務総長も、高く評価しています。


「人権向上の実践を求める国際世論の高まりを示すもの」




 欧州連合の委員長は

「自由と人権を追求するすべての人々を支持する強いメッセージだ」

という声明を発表しています。




 アメリカのオバマ大統領は

「劉暁波は、民主主義という万国共通の価値を平和的に推進する勇気あるスポークスマン」

 と評し、




フランスの外務大臣は

「フランスはEU と同様に逮捕直後から懸念を表明し、繰り返し釈放を求めてきた」

という声明を出しています。




 また、自身もノーベル平和賞受賞者である、チベットのダライ・ラマ14世は

「ふさわしい時に、ふさわしい人が選ばれた。



劉氏の後ろには数千人の市民がおり、中国の変化に大きく寄与するだろう」

と述べています。




 日本の当時の首相、菅直人は次のように述べました。

「中国において普遍的価値である人権と基本的自由が保障されることが重要で、釈放されることが望ましい」





 これに対し、中国政府はどんなことをしているのでしょうか。


 これらの基本的人権についての国際世論を 「内政干渉」 だと言って突っぱね続けています。





 「零八憲章」 発表の前日に暁波を拘束し、2010年2月、 「国家政権転覆扇動罪」 で懲役11年の実刑判決を下しました。


 4回目の投獄となり、判決以来、遼寧省錦州市の監獄で服役させています。





 中国のメディアは当局の管理下にあり、ノーベル賞のニュースをほとんど報じていません。


 報道の自由がないのですね。





 劉暁波や零八憲章に関するインターネット上の文章や言葉が削除され続けているので、中国ではこれらのことを知らな い人が多いという現実があります。




 この事実を、皆さんはどのように受け止められますか。




 さて、国際世論と中国当局、変わらなければならないのはどちらでしょうか。


 この答えはここに書くまでもなく明白だ、と考えているのは僕だけでしょうか。





<追記>

◎ 先日とても残念な報道がありました。

   服役中の 劉 暁波 さんが、2017年7月13日死亡しました。

   親族は自宅の墓に埋葬することを希望していましたが、なぜか海葬、つまり遺灰は海に
   散骨されたとのことです。

   なぜ死亡したのか、なぜ海葬なのか、真実を知りたいと思うのは僕だけではないでしょ
   う。

   
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