12 ジェロニモ (1829年~1909年)




~開拓という名の侵略と戦い続けたアメリカの先住民~




 「自由の国」 アメリカ合衆国。


 イギリス本国からの差別を乗り越えて、独立を達成しました。



 現在のアメリカの発展は目を見張るものがあり、世界のリーダー的な国家であることは誰もが認めるところでしょう。

 僕たち日本の国民から見ても、なくてはならない同胞の一つです。



 しかし、彼らのいう自由とは、現実には白人にとっての自由であり、ネイティブ・アメリカンに対しては、過酷な人権侵害を続けてきていることも事実です。



 1830年、アメリカ政府は 「インディアン強制移住法」 を制定しました。

 この法律により、インディアンの各部族を強制的にミシシッピ川の西のかなたへ移住させたのです。



 白人たちだけに都合のよい法律であることは明白ですね。



 豊かな土地を白人が占有し、西のかなたのやせた土地に、先住民のインディアンを追いやるという、典型的な人種差別であり民族差別です。



 政府はあくまでもインディアンの 「基本的人権」 を認めず、力ずくで押さえつけようとしました。

 この差別政策に先住民たちが黙っているはずはありません。



 アメリカはもともと彼らが生まれ育ったところです。



 開拓という言葉は、白人たちの政策を正当化するのに都合のよい言葉ですね。

 開拓という名の侵略に異議を唱え、抵抗するのは当然のことでしょう。



 「白人たちはわれわれの土地に入り込み、だいじな野牛を狩りつくした。

 その上豊かな土地を取り上げ、われわれをやせた土地におし込めようとする。



 白人はわれわれの敵だ」

 というジェロニモの言葉は、彼個人の言葉ではなく、「先住民の総意」 と受けとるべきでしょう。



 特にシャイアン族、スー族、アパッチ族などの部族は、アメリカ政府に対して激しく抵抗しました。



 中でも、アパッチ族の最後の族長であるジェロニモは、10年間にわたり白人と戦い続けたことで有名です。

 その戦いぶりは勇敢で、白人からも恐れられていました。



 まさに 「自由のための戦い」 ですね。

 かつてアメリカの白人たちが、イギリスと戦ったのもまた 「自由のための戦い」 でした。




 1860年代に、アメリカ政府は、先住民インディアンとの戦いに多額の費用をかけ、10年間に200回にもおよぶ戦いを行いました。



 しかし、武力の差は歴然としています。



 1886年、先住民のリーダーとして立ち上がったジェロニモも、ついに敗れて捕えられました。

 それからは15年以上にわたり幽閉され、行動を規制されています。




 彼の最期は酒に酔って小川に落ちてしまい、それがもとで肺炎にかかり病死してしまいました。

 80歳になっていましたが、あっけない最期でした。




 インディアンには国家というものがなく、部族単位で生活していたことも侵略されやすい原因の1つだったことでしょう。

 目を覆うような虐殺も行われていました。




 現在は正面からの戦いは終わりましたが、インディアン居留地の存在をはじめ、人権侵害はなくなっていません。



 アメリカの大きな課題の1つだと思います。

 敗れはしましたが、自由のために命をかけて戦ったジェロニモの生き方に共感できるのは僕だけではないと思います。



 ところで僕たちの国、日本はどうでしょうか。



 僕にはアメリカの民族差別が、とても他人事とは思えません。


 アイヌ民族や沖縄、在日韓国・朝鮮人の人々に対して、日本は歴史上何をしてきたのでしょうか。



 白人たちの民族差別とそっくりな民族差別を、日本もやってきていることはまぎれもない事実です。




 間違いなくいえることは、民族や文化が違っても同じ 「人間」 であるということです。
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