2 シャカ (前560年頃~前480年頃)




~人間の平等を説き苦しみを乗り越えたインドの王子~




 仏教の開祖として世界中に知られている人ですね。


 本名はガウタマ=シッダールタといい、 「真理を悟った人」 という意味で ブッダ(仏陀) とも呼ばれています。



 シャカ(釈迦) はカーストと呼ばれるインド特有の頑強な身分制度を否定し、人間の平等を説いたことで身分差別に立ち向かった人でもあります。



 シャカは恵まれた高い身分に生まれています。

 シャカ族の小さな国の王子として、将来は国王になることを事実上約束されていました。



 しかし、 「太陽の光がバラモンの上にだけそそいでいるわけではないように、悟りの世界は差別などなく平等なのだ」  と考えていました。



 人からはうらやましがられるような立場でありながら、王子シャカは心が満たされず悩んでいました。



 国とはいっても、周りにはさらに強く大きな国がありましたし、いつ滅ばされるかもわからないという漠然とした将来の不  安もあったのでしょうか。


 彼は考え続けました。



 「戦いの勝者もやがて敗者となる。

 戦う者たちは、いつも敗北の不安におびえている。

 戦いとは何とむなしいものか。」



 「人間ならだれでも年をとり病気にもなり、やがていつかは必ず死んでいく。

 この自分も同じだ。


 世の中は苦しみだらけだ。

 人は苦しむために生まれてきたのだろうか?」



 シャカは19歳になると結婚し、美しいヤショダラ姫との間に、男の子ラーフラが生まれました。


 しかし、彼の悩みはなくなりません。



 「わたしが悩み苦しんでいては、シャカ族の人々を幸せにすることはできない。

 何とかしてこの苦しみを乗り越えなければ。」



 29歳、ついにシャカは、出家を決意します。

 王子の身分を捨て、ひそかに城を出ました。



 その後の6年間は、生命を失う覚悟で行った断食などで身体はやせ衰え、修業は壮絶を極めました。

 しかし、長い修行の中でもなかなか悟りを得られず、苦しみのどん底の中で次のことに気づきます。



 「きびしいだけではだめなのた。

 中ほどの道を進まなくては。」



 そして35歳、現在のインドのブッダガヤというところの菩提樹の下で座禅を組んでいたときのことです。



 ある日の明け方、まるで霧が晴れていくようにすべての悩みから解放され、静かに悟りを開いたといわれています。

 シャカは、主に以下のような内容に気がつきました。



 「すべての苦しみは自らがつくり出している。


 物事にはすべて原因があり、生、老、病、死の苦しみの原因は、いつまでも若くいたい、いつまでも健康でいたい、いつ  までも生きていたいという欲望だ。


 人生の苦しみを乗り越えるためには、欲望をすてなければならない」



 その欲望をすてるためには、この世が常に移り変わることを知り、正しくものを見、正しく考え、正しい道を進むことだ。」 



 また、シャカは次のような生き方を語りました。


 「過去を追うな。

 未来を願うな。


 過ぎ去った日をくよくよ考えるのはやめる。

 未来は自分の思うがままにはならない。 


 未来のために現在を犠牲にすることはやめ、今現在をしっかりと大事に生きることが大切だ」



 僕たち人間は、5年後、10年後はもちろん、明日でさえも確実に生きているという保障はどこにもありません。

 もしかしたら、今日が人生最後の日になるかもしれないのです。



 毎日が、その繰り返しですね。

 だから、今現在をしっかり生きることが大切だと思います。



 シャカはこうして苦しみを乗り越えることができました。



 差別者は、インドの第1の身分であるバラモン(僧侶)たちですね。

 シャカはクシャトリアという第2の高い位で、平民や奴隷を差別する側の身分でした。



 しかし、どんな高い身分、権力者、支配者でも真理を悟らなければ、誰でも自分から苦しみをつくり出し、拡大してしまうことに気づいたのです。



 僕たちが生きる現在にも、こういう人たちはあまりにもたくさんいると思いますがいかがでしょうか。



 人間の欲望は、いったんかなえられて満足しても、また新たな欲望が生まれ、生涯この苦しみを繰り返し、味わい続けることになるのです。



 僕も長い間、この苦しみを味わい続けてきました。



 欲望には限りがありませんね。



 差別心から解放され、欲望をすてることが人生には必要であることを説いたのです。

 シャカの考えはとても説得力があると思いませんか。



 後に、仏教という世界宗教に発展し、現在でも世界で数億人の信者がいます。



 仏教の信者であろうとなかろうと、彼のこれらの考え方は時代も国境も超えて、 「人間の生き方」 の指針の1つとして、世界史の中でも特に学ぶことが多い人物だと思います。
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