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~「名古屋駅で絶交した友人の一人」~



 高校時代に仲良くしていた大切な友人を一人失ってしまいました。


 江田君(仮名)は高校1年のときの同級生です。2・3年になってクラスは分かれても仲良く付き合い卒業後までしばらく続きました。


 当時の友人4人の中の一人で、江田君とは共通点がいくつかありました。


 学校と名古屋駅との間の通学ルートが同じで、ともに在学していたA高校は、僕も彼も第一希望で入学したわけではありませんでした。


 3年後の第一希望大学進学に向け、「今度こそ」 というハングリー精神を持っていました。 互いの自宅まで遊びに行ったり、一緒に図書館で勉強したり、映画館や海水浴まで行ったこともありました。


 本音で語り合える親友ともいえる貴重な存在でした。勉強の方もよい意味での競争相手になり、互いに刺激しあい、高めあうことができていたと思います。


 僕の暗い高校3年間の中でも彼の存在は大きなものがありました。このまま生涯の良き友として付き合っていけるのかなと期待していました。


 そして待ちに待った大学受験。僕たちは5人の仲間でしたが、はっきりと大学生になったのは2人だけです。


 あとの2人は浪人で、残りの1人はあんなに仲良くしていたのにいつの間にか疎遠になり卒業後は行方不明。江田君は東海地方でも有数の難関校に現役で合格しました。


 僕はというと、あえなく浪人です。予備校に進学?しました。


 ところが合格すると彼の態度が手の平を返したように変わりました。名門大学の権威を振りかざすようになり、浪人である僕はバカにされていると感じるようになったのです。


 上から目線で「一流」という言葉を使われました。「もういいよ」 正確には覚えていませんが、僕が彼に放った最後の言葉です。二人とも学歴差別による差別者でした。


 あれから何十年も会っていません。次は二人とも差別意識から解放された状態で再会できたら・・・と考えています。


 世界史上の人物で、学歴差別に少し似た被差別体験をした人が有名なガリレイです。


 「近代科学の父」 とまでいわれ、振子の等時性や慣性運動の原理などを発見した大物理学者ですね。彼は自ら作った望遠鏡で天体を観測しました。


 「やっぱりコペルニクスの地動説は正しい」  しかし、キリスト教会からは否定されました。背景には神学があるのでしょうか。


 科学的に証明しても「聖書に背く考えであり誤りである。撤回せよ」 と命じられました。


 それでも地動説の正しさを説くガリレイは、ついに宗教裁判にかけられてしまいました。結果は有罪。終身刑で後に減刑されても監視つきの自宅軟禁です。


 フィレンツェの自宅に帰ることは許されず、監視つきの住居に住まわされました。散歩以外の外出は禁止され、78歳で亡くなるまでの8年間にわたり延々と人権侵害を受け続けました。


 さらに死後も遺族は葬式で弔辞を読むことが許されず、遺体は教会の隅っこにある小部屋に墓碑銘なしで葬られました。


 1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世はガリレイの無罪を正式に認めました。何とすでに死後350年がたっています。


 この気の遠くなるような長い年月はいったい何を物語っているのでしょうか。正しい主張をしていたのに涙が出るほど悔しかったことでしょう。


 当時の権力者からの支配と差別を執ように受けながらも、科学という学問の自由をめざして闘い続けました。


 最後まで信念を曲げなかった、とても勇気ある生き方だったのではないでしょうか。
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