2 ロバート・オーウェン (1771年~1858年)




~貧富の差のない平等な社会をめざしたイギリスの工場主~




 18世紀のイギリスは世界初の産業革命を成しとげ、世界最大の工業国になったので 「世界の工場」 とまで呼ばれるようになりました。



 国土の面積そのものは日本よりも小さいのですが、国内には豊富な炭田や鉄山がありました。



 また早くから議会政治が発達していたことにも関係して、「自由」 でさまざまな発想をすることがしやすかったのでしょうか、工業の発達につながるような機械などの発明が相次ぎました。




 このようなことからイギリスでは商品の大量生産が可能になり、社会全体が大きく変化していったのです。


 また、海外には広大な植民地をもっており、原材料を安く仕入れ、同時に製品の市場にもなりました。




 このころの日本は、まだ江戸時代で鎖国中。

 工業の発達には程遠い状態でした。




 イギリスはまさに世界の最先端を行く、当時としては世界で最も進んだ国だったのです。


 しかし、この産業革命には「光と影」があります。




 発達する資本主義の中で、資本家と労働者という階級が生まれ、あらゆる権限をもつ少数の資本家に対して、大多数の弱い立場の労働者たちは、影の部分を味わうことになりました。




 自由競争という名のもとに、生産性をあげて豊かになろうとした多くの資本家たちは、労働者たちに過酷な労働を強いるようになったのです。




 低賃金で長時間労働、鞭 (むち) を打って檄 (げき) を飛ばす。


 大人だけでなく、少年少女たちにも容赦しないという過酷な労働環境となりました。




 中には病気になったり死亡したりする者も現れるほどでした。


 産業革命もまた差別的な社会を生み出し、さまざまな人権侵害が公然と行われていたのです。




 ロバート・オーウェンはこの労働者たちの悲惨な労働状況を自分自身の問題としてとらえ、労働者の立場に立って課題を共有し、解決しようとした数少ない資本家だと思います。




 彼は徒弟から身を起こし、スコットランドのニューラナーク村の紡績工場の経営者になった人です。

 労働者の待遇改善をとなえ、労働組合や協同組合の設立に努力をしました。




 また、労働者の子弟のための世界初の幼稚園や、サマータイム制の導入など、現在いろいろな国で採用されている先進的な取り組みを積極的に行いました。




 ロバート・オーウェンは資本主義の欠点を改革し、貧富の差のない平等な理想社会をつくろうとしました。




 後に彼は自分の全財産をつぎこんで、アメリカのニューハーモニー村で理想社会を建設しようとしたのです。


 こんなに心ある資本家のもとなら、僕たちは喜んで働きたくなりますね。





 しかし結果はうまくいかずに挫折し、理論があまり現実的ではなかったととらえられています。

 彼の考え方は 「空想的社会主義」 とよばれ批判されることになったのです。





 失敗はしたものの、僕はロバート・オーウェンの生き方にはとても共感できるものがあると思います。




 産業革命という階級的差別社会の中で、労働者とい う「被差別の立場」 に立てたという点です。




 自分が儲けることを最優先に考える資本家はたくさんいますが、彼のように労働者の 「基本的人権」 を重視できる資本家がどれほどいたでしょうか。




 働く人あっての会社です。




 実際に彼の考え方は、発展しながら現在も世界中で生きています。


 日本での例をあげれば、まず日本国憲法の労働三権があげられます。




 法律では労働基準法や労働組合法、さらに、近年のワークライフバランスの生き方など、多くの国で労働者が人間らしく生きる工夫をしています。




 ブラック企業の問題がさかんに指摘される今日の社会の中で、ロバート・オーウェンの活動に、光るものを感じるのは僕だけでしょうか。




 人権感覚にすぐれた人物の一人として世界史上もっと大きく取り上げるべき人物ではないでしょうか。。
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